📚 このコンテンツで学べること
1. フィルター・ソートを組み合わせて欲しいデータだけを表示する
2. 集計機能(カウント・合計・平均など)でデータベース全体を俯瞰する
3. リンクドビューで「同じデータベースを別ページで表示する」テクニックを身につける
所要時間: 25分 難易度: 中級 種別: テキスト + ハンズオン
はじめに
データベースの基本と3つのビュー(表/ボード/カレンダー)を学んだうえで、実務では「データの数が増えてきて、欲しい情報を見つけにくい」という壁にぶつかります。
例えばこんな場面:
- タスク50件のうち、「今週期限の自分の担当」だけを見たい
- コンテンツ100本のうち、「Notionカテゴリで未着手のもの」を一覧で見たい
- 顧客200社のうち、「ステータスが商談中」かつ「最終接触から30日以上経過」を抽出したい
これを解決するのが、フィルター・ソート・集計・リンクドビューの4つのテクニックです。
ハンズオンでは、前回作った「コンテンツリスト」データベースをさらに使いこなし、Notionのトップページから「自分が次に作るべきコンテンツ」を一目で見えるダッシュボードを作ります。
1️⃣ フィルター – 欲しいデータだけを表示する
フィルターは、データベースの中から条件に合うデータだけを表示する機能です。
基本のフィルター
[手順]
1. ビュー右上の「フィルター」ボタンをクリック
2. フィルターしたいプロパティを選ぶ
3. 条件を設定(等しい/含む/より大きい など)
4. 値を指定
[例: ステータスが「未着手」のものだけ表示]
プロパティ: ステータス
条件: 値と等しい
値: 未着手
プロパティ別のフィルター条件
[テキスト型]
含む / 含まない / 等しい / 等しくない / 始まる / 終わる / 空 / 空でない
[選択型・マルチセレクト型]
値と等しい / 含む / 含まない / 空
[数値型]
=, ≠, <, ≤, >, ≥ / 空 / 空でない
[日付型]
当日 / 過去 / 今後 / 過去○日以内 / 今後○日以内
特定の日 / 範囲 / 空
[チェックボックス型]
チェック済み / 未チェック
複数フィルターの組み合わせ
[AND条件: すべての条件を満たす]
例: 「Notionカテゴリ」AND「ステータスが未着手」
→ Notionカテゴリの未着手タスクだけ表示
[OR条件: いずれかの条件を満たす]
例: 「ステータスが未着手」OR「ステータスが作成中」
→ 完了していないものすべて表示
ビューごとにフィルターを保存
フィルターはビューごとに独立して保存されるのがポイントです。「今週のタスク」ビューにはタスク用のフィルター、「未公開コンテンツ」ビューには別のフィルター、と用途別に使い分けられます。
2️⃣ ソート – 並び順をコントロール
基本のソート
[手順]
1. ビュー右上の「並び替え」ボタンをクリック
2. ソートしたいプロパティを選ぶ
3. 昇順/降順を選ぶ
[例: 期限が近い順に並べる]
プロパティ: 公開予定日
順: 昇順(早い日付が上)
複数ソートの優先度
複数のソートを設定すると、上から順に優先度が高いことになります。
[例: タスク一覧の並べ方]
1番目: 優先度(降順) → 高優先度が上
2番目: 期限(昇順) → 同じ優先度なら期限が近いものが上
手動ソート(ドラッグで並べ替え)
ソート設定をしていない場合、行をドラッグして手動で並び順を変えられます。重要なものを上に持ってきたいときに便利です。ただし手動ソートは、ソート設定をかけると無効になるため注意。
3️⃣ 集計 – 全体を俯瞰する
集計は、列ごとにデータの統計を表示する機能です。表ビューの最下部に表示されます。
集計の種類
[共通]
カウント 全行数
カウント値 値が入っている行数
カウント空 値が空の行数
カウント割合 値が入っている割合
[数値型]
合計 / 平均 / 中央値 / 最小 / 最大 / 範囲(最大 - 最小)
[選択型・マルチセレクト型]
ユニーク数(重複を除いた値の数)
[日付型]
最も早い日付 / 最も遅い日付 / 範囲
[チェックボックス型]
チェック済み数 / チェック済み割合
集計の使い方
[手順]
1. 表ビューの列の最下部にホバー
2. 「カウント」もしくは「計算」と表示される
3. クリックして集計タイプを選ぶ
[実務での使用例]
タスクDB:
ステータス列で「カウント値」 → 全タスク数
ステータス列で「ユニーク数」 → ステータスの種類数
期限列で「最も早い日付」 → 直近の期限
コンテンツDB:
所要時間列で「合計」 → 全コンテンツの合計学習時間
所要時間列で「平均」 → 平均学習時間
カテゴリ列で「カウント割合」 → カテゴリ入力済み率
グループ化と集計の組み合わせ
ボードビューやグループ化した表ビューでは、グループごとに集計を見られます。
4️⃣ リンクドビュー – 別ページに表示する
リンクドビューは、既存のデータベースを別のページで表示する機能です。これがNotionの強力さを格段に引き上げます。
リンクドビューとは
[通常のデータベース]
データベースは1箇所にしか存在しない
そのページに行かないと見られない
[リンクドビュー]
既存のデータベースを「別のページで表示」する
実態は1つのデータベース、見せ方を別ページに作る
リンクドビューでデータを編集すると、元のDBにも反映される
リンクドビューの作り方
[手順]
1. 表示したいページで /リンクドビュー とタイプ
2. 「既存のデータベースのリンクドビュー」を選択
3. 表示したいデータベースを検索して選ぶ
4. ビュータイプを選択(表/ボード/カレンダーなど)
5. このリンクドビューだけのフィルター・ソート・集計を設定
リンクドビューの活用例
[例1: トップページに「今週のタスク」を表示]
元DB: 「タスク」DB(タスク管理ページにある)
リンクドビュー: トップページに表示
フィルター: 自分が担当 + 期限が今週
[例2: プロジェクトページに関連する議事録を表示]
元DB: 「議事録」DB(議事録ページにある)
リンクドビュー: プロジェクトページに表示
フィルター: タグ「Aプロジェクト」を含む
[例3: チームトップに「ステータス別ボード」]
元DB: 「タスク」DB
リンクドビュー: チームトップに表示
ビュータイプ: ボード
グループ化: ステータス
リンクドビューの考え方
「データベースは1箇所、見せ方は何箇所でも」 がリンクドビューの本質です。同じデータを目的別の場所で、目的別の見せ方で表示できるため、Notionワークスペース全体の使いやすさが大きく向上します。
5️⃣ やってはいけないこと・注意点
NG1: フィルターを多すぎる条件で組み合わせる
5個以上の条件を入れ子で組み合わせると、自分でも何を表示したいかわからなくなります。条件が複雑になるなら、「フィルターをシンプルに」できるようにプロパティを設計し直すほうが良い。
NG2: ソート設定がないまま手動で並べ、後でソートをかけて並びが消える
手動で並び順を整えた後にソートをかけると、手動の並びは失われます。「重要なものを上に置きたい」場合は、「重要度」プロパティを作ってソートするか、手動ソートを使い続けると決めましょう。
NG3: 集計を設定しないまま大量データを扱う
100件以上のデータがあるDBで集計を設定しないと、「全体で何件あるのか」「合計工数はいくらか」がわからないまま運用してしまいます。最低限「カウント値」(全件数) だけでも設定しましょう。
NG4: リンクドビューを「コピー」と勘違いする
リンクドビューは「同じデータの別表示」であり、コピーではありません。リンクドビューでデータを編集・削除すると、元のデータベースのデータが編集・削除されます。
NG5: フィルターをビュー内で設定するのを忘れて「全データ」を見せてしまう
リンクドビューを作るとき、フィルターを設定し忘れると元DBの全データが表示されます。チームトップに「自分のタスク」を表示したかったのに、全員のタスクが見えてしまう、というケース。リンクドビューを作ったらすぐにフィルターを設定するを習慣化しましょう。
🛠 ハンズオン課題: トップページにダッシュボードを作る
所要時間: 約8分
📋 ゴール
前回作った「コンテンツリスト」データベースを使って、Notion勉強ノートのトップページに「次に作るコンテンツ」ダッシュボードをリンクドビューで作る:
- 「未着手」のものだけを表示
- 公開予定日順に並べる
- 所要時間の合計も表示
Step 1: コンテンツリストにデータを追加(1分)
前回5件作ったデータが残っているはず。少なすぎるとフィルターの効果がわからないので、もう3-5件追加してください。「未着手」「作成中」「完了」のステータスがバラけるように。
Step 2: トップページにリンクドビューを作る(2分)
- 「📖 Notion勉強ノート」トップページを開く
- 適切な位置で
/リンクドビューとタイプ - 「既存のデータベースのリンクドビュー」を選択
- 「コンテンツリスト」を検索して選ぶ
- ビュータイプは「表」を選ぶ
- ビュー名を「📝 次に作るコンテンツ」に設定
Step 3: フィルターを設定(2分)
- ビュー右上の「フィルター」ボタンをクリック
- 「ステータス」を選択 → 「値と等しい」 → 「未着手」を選ぶ
- 表示が「未着手」のデータだけになることを確認
Step 4: ソートを設定(1分)
- ビュー右上の「並び替え」ボタンをクリック
- 「公開予定日」を選択 → 「昇順」を選ぶ
- 公開予定日が早いものが上に来ることを確認
Step 5: 集計を表示(1分)
- 「所要時間」列の最下部にホバー
- 「計算」をクリック → 「合計」を選択
- 表の下に未着手コンテンツの合計学習時間が表示される
- 「タイトル」列の最下部で「カウント値」も設定 → 全件数を表示
Step 6: ボードビューも追加(1分)
- ビュータブの「+」ボタンをクリック → 「ボード」を選択
- ビュー名を「🗂 ステータスボード」に
- グループ化を「ステータス」に設定
- 同じデータが、ビューを切り替えるだけで「未着手リスト」と「全体カンバン」の2つの視点で見られることを体感
✅ 完成チェックリスト
- [ ] トップページに「次に作るコンテンツ」リンクドビューを作った
- [ ] フィルターで「未着手」のみ表示している
- [ ] ソートで公開予定日順にしている
- [ ] 所要時間の合計とタイトルのカウント値を集計表示している
- [ ] 同じDBでボードビューも追加し、ビュー切り替えで違う視点が見られることを体感した
✅ まとめ
- フィルター: 条件に合うデータだけ表示。AND/ORで組み合わせ可能
- ソート: 並び順をコントロール。複数ソートは上から優先度高
- 集計: 列の最下部で表示。カウント・合計・平均・最大/最小など
- リンクドビュー: 同じデータベースを別ページで表示。「データは1箇所、見せ方は何箇所でも」
- フィルター・ソート・集計はビューごとに独立して保存される
- NG: 複雑すぎるフィルター / 手動ソートとソート設定の混在 / 集計未設定 / リンクドビューを「コピー」と誤認 / フィルター忘れ
📌 実務ポイント: キャリア・現場でどう活きるか
フィルター・ソート・集計・リンクドビューを使いこなせる人は、「データから必要な情報を引き出せる人」として高く評価されます。
選考・面談で: 「デジタルツールの活用経験を教えて」という質問に対して、「Notionで顧客データベースを作り、ステータス別のカンバン、期限カレンダー、担当者ごとのリンクドビューでチーム全体の進捗を可視化した」と語れる人は、「ツールを目的に応じて使い分けられる人」として印象付けられます。
入職・配属初期で: チームのNotionデータベースを見て、「自分の業務に関係するデータだけのフィルター」や「自分専用のリンクドビュー」を自分のページに作れる人は、「自分で情報整理ができる人」としてチーム内で頼りにされます。
リーダーとして: リーダー職では、チームダッシュボードの設計が重要な仕事になります。「チームトップに何のリンクドビューを置くか」「どんなフィルターを設定するか」「どの集計を表示するか」――これを設計できると、チームメンバー全員が「今何が起きているか」を一目で把握でき、コミュニケーションコストが大きく下がります。
