📚 このコンテンツで学べること
1. Googleフォームでアンケート・申し込みフォームを作り、回答をスプレッドシートで集計できる
2. Google Keepで「ちょっとしたメモ」をさっと記録し、いつでも検索できる状態にしておく
3. この2つを「ささやかに使う」というポジショニングを押さえる
所要時間: 20分 難易度: 初級 種別: テキスト + ハンズオン
はじめに
Google Workspaceには、これまで見てきた主要サービス(Gmail・ドライブ・ドキュメント・スプレッドシート・カレンダー・Meet・スライド)以外にも、「軽量だが、そのシーンで他ツールよりピンポイントに使える」サービスがいくつかあります。その代表がGoogleフォームとGoogle Keepです。
Googleフォームは、アンケートや申し込みフォームをその場で作れるツールです。もしスプレッドシートに「名前/部署/ポジション/参加可否」を入力してもらうとしたら、スプレッドシートのリンクを送って「上から順に記入してください」と伝えるより、フォームを送ったほうが手間もミスも少ないです。
Google Keepは、付箋サイズの「ちょっとしたメモ」を記録するためのツールです。「同僚に今度話そうと思ったこと」「書類提出期限」「オススメされた本のタイトル」など、Notionやドキュメントを開くほどではないものを、いつでもサッと記録しておきます。
この2つは、「ささやかに使う」というポジショニングを押さえると使いどころが見えてきます。このコンテンツでは、GoogleフォームとGoogle Keepの基本使用を学びます。ハンズオンでは、「勉強会参加可否フォーム」を作り、Keepでチームと共有するメモを一つ作るところまで進みます。
1️⃣ Googleフォームとは
Googleフォームは、Web上で記入できるアンケート・申し込みフォームを作るツールです。Webサービスやコーディングを使わずとも、詳しいチーム設定や勉強会アンケートをすぐ作れるのが魅力です。
できること
[アンケート] 社内サーベイ、顧客満足度調査、イベント後フィードバック
[出欠確認] 会食・勉強会・イベント・研修
[申し込み] 資料申し込み、顧客サポート受付、質問受付
[クイズ] 勉強テスト・社内勉強会での理解度テスト
[予約受付] セミナー受付、個人面談予約
フォームの強み
- 回答データが自動でスプレッドシートに集計されるため、集計手間がゼロ
- クイズは自動採点可能
- 提出で「重複提出」を防ぐための設定がある(ログイン者限定)
- 作ったフォームはURLを送るだけで受け取り手にすぐ記入してもらえる
2️⃣ Googleフォームの画面と作り方
forms.google.com にアクセスして「+」ボタンで新規フォームを作るか、ドライブで「+新規」 > 「その他」 > 「Googleフォーム」を選択すると、フォーム編集画面が出ます。
画面構成
- 上部タブ: 「質問」 / 「回答」 / 「設定」の3つを切り替え
- タイトル・説明セクション: フォームの先頭に表示される
- 質問ブロック: 一つずつ質問を追加していく
- サイドツールバー(フォームの右側): 質問追加・タイトル追加・画像追加・セクション分け
- 右上: テーマ(パレット)・プレビュー(目)・送信ボタン・コメント
サイドツールバーの「セクションを追加」アイコンをクリックすると、フォームを複数ページに分けられます。より長めのアンケートや、「参加します」を選んだ人だけに詳細質問を見せるといった分岐もできます。
質問の主要タイプ
[記述式] 一行テキスト(名前、部署名など)
[段落] 複数行テキスト(備考、質問内容)
[ラジオボタン] 単一選択(参加可否、どれか一つを選択)
[チェックボックス] 複数選択(同時に複数選択可能)
[プルダウン] ドロップダウン選択(部署名、都道府県など)
[スケール入力] 「とても不満〜とても満足」のようなスケール評価
[日付] 日付選択(参加希望日、期限)
[ファイルアップロード] ドキュメントや画像を受け取る(ログイン者のみ)
3️⃣ 回答をスプレッドシートで集計する
Googleフォームの一番の魅力は、回答がスプレッドシートと連携して自動で集計されることです。
スプレッドシートリンクの設定
- フォーム上部タブで「回答」をクリック
- 右上の「スプレッドシートにリンク」ボタン(緑アイコン)をクリック
- 「新しいスプレッドシートを作成」を選択 → 「作成」
- スプレッドシートが自動で開かれ、項目名が見出し、回答が1行ごとに記載される
集計のしかた
GW-7・8で学んだ関数やピボットテーブルをそのまま使えます。
=COUNTIF(C:C, "参加") → 「参加」の人数をカウント
=AVERAGE(D:D) → 点数スケールの平均点
ピボットテーブルで「部署×参加可否」「部署×満足度」などのクロス集計も可能。
💡 ポイント: スプレッドシートで集計するときは、生データはフォームが自動で追記する「フォームの回答」シートをそのまま使うのがコツ。見た目を装飾したりソートしてしまうと、データが乱れて集計できなくなります。集計は「集計」シートを追加してそちらで行いましょう。
4️⃣ Google Keepとは
Google Keepは、付箋サイズの軽量メモツールです。Notionやドキュメントを開くほどではない「ささやかなメモ」を記録するのに適しています。
Keepの使いどころ
[アイデアのメモ] 「今度これを提案しよう」「この本読もう」
[ちょっとしたタスク] 「明日帰ったらスケジュールを取る」「メールを返信」
[一時保存] 「評価面談で話したいこと」
[クリップ] 気に入った名言、記事・ツイートのスクリーンショット
[チームと共有したいメモ] 「このツール、チームにも推薦」
Keepの強み
- さっと起動して、さっと閉じられる(Notionやドキュメントは起動が重い)
- スマホアプリとPCで一瞬で同期される
- 画像付きメモが取れる。ホワイトボードやポスターをスマホで撮るだけ
- 他者と共有メモをつくることができる
Keepを起動する
- Web版: keep.google.com
- スマホアプリ: 「Google Keep」をApp Store・Google Playでダウンロード
- Gmail・ドライブ・ドキュメント・スプレッドシートの右サイドバーにもKeepの電球アイコンがあり、そこからさっとメモを作れる
5️⃣ Keepの主要機能
メモの種類
テキストメモ
一般的なメモ。タイトルと本文を記載するだけ。
チェックボックス付きメモ(チェックリスト)
チェックボックス付きのチェックリスト。「ちょっとしたToDoリスト」に便利。完了した項目は下に移動される。
画像メモ
写真を撮ってメモにできる。ホワイトボード・ポスター・名刺・手書きドキュメントなどの保存に。Keepは画像内のテキストをOCR(文字認識)で検索できるため、「名刺を撮っただけで探せる」という使い方も可能。
録音メモ
話した内容を録音 + 自動文字起こしします。思いついたアイデアを手を使わずに記録したいときに便利。
ラベルと色分け
Keepのメモはフォルダ機能がないため、ラベルと背景色で分類します。
[ラベル例]
#人事面談 面談で伝えるポイントメモ
#記事クリップ 読んだ記事や名言
#1on1トピック 上司との1on1で話したいこと
#応募候補 応募したい会社や職種のメモ
[背景色分け例]
赤 重要・緊急
黄 アイデア・思いつき
青 保留項目・とりあえず保存
グレー その他、完了済み
検索とピン留めとアーカイブ
- ピンされたメモは一番上に表示
- ラベル検索でタグ絞り込み(
#人事面談で絞る) - 上部検索バーで本文検索(ホワイトボード画像のOCRも含む)
- 不要になったメモは「アーカイブ」(削除せず、一覧から隠して検索可能な状態)
6️⃣ やってはいけないこと・注意点
NG1: フォームで個人情報を選別なく集める
Googleフォームは「ささやかに作れる」ため、「選別なく個人情報を集めてしまう」リスクがあります。「生年月日」「電話番号」「住所」を何となく聞いてしまうと、集めた「個人情報」として適切に管理する責任が生じます。「本当に必要な項目だけ」を聞いて、それ以外は含めないようにしましょう。
NG2: フォームの「ログイン者限定」を見返さない
社外に広めるアンケートに「ログイン者限定」設定をしてしまうと、Googleアカウントを持たない人は回答できません。逆に、社内アンケートで「ログイン者限定」を外すと、複数回答や社外にリンクが漏れたときのリスクがあります。「設定」タブで必ず「送信可能なユーザー」を見返しましょう。
NG3: Keepに重要情報を入れすぎる
Keepは「一人で使うサイドメモ」として使うのが原則です。チームで共有したい重要なドキュメントやタスク管理は、NotionやGoogleドキュメント、タスク管理ツールを使いましょう。Keepは検索機能や階層付けが限定的で、メモが100個を超えると探しにくくなります。
🛠 ハンズオン課題: 勉強会フォームを作る + Keepメモを試す
ここからは実際に手を動かす時間です。所要時間: 約8分
📋 ゴール
- 「勉強会参加可否フォーム」を作り、自分で試して回答 → 集計スプレッドシートにデータが入るステップを体験する
- Keepで「今週やることのチェックリストメモ」を作る
Step 1: Googleフォームを作る(4分)
- https://forms.google.com にアクセス
- 「+」ボタンで新規フォームを作成
- タイトルに:
【テスト】社内勉強会 参加可否アンケート - 説明に:
5/15(金) 18:00、19:00で社内勉強会を開催します。参加可否をご記入ください。 - 以下の質問を4つ作る:
- 質問1:
お名前(記述式、必須) - 質問2:
部署(ドロップダウン、「営業」「システム」「コーポレート」) - 質問3:
参加可否(ラジオボタン、「参加」「不参加」「未定」) - 質問4:
質問・要望あればご記入ください(段落、任意)
- 質問1:
- 上部タブ「設定」をクリック → 「回答」セクション → 「メールアドレスを収集する」を「オフ」に設定(テストなので不要)
Step 2: 自分でテスト回答(2分)
- 右上のプレビューボタン(目アイコン)をクリック
- 実際の回答画面が表示されるので、適当に入力して「送信」
- フォーム編集画面に戻り、上部タブの「回答」をクリック
- 今回答したデータが1件表示されているのを確認
Step 3: スプレッドシートに連携して仕組みを見る(1分)
- 「回答」タブで右上の「スプレッドシートにリンク」ボタンをクリック
- 「新しいスプレッドシートを作成」 → 「作成」
- スプレッドシートが開いて、回答データが1行記載されているのを確認(見出しは質問名)
Step 4: Keepでメモを作る(1分)
- https://keep.google.com にアクセス
- 「メモを作成」ボタンをクリック
- タイトル:
今週やること - 本文で上部のチェックボックスアイコンをクリックし、チェックリスト形式に切り替え
- 3〜4個、今週やることをチェックリストとして記載
- ラベルを追加(例:
今週) - 背景色を黄色に設定(パレットアイコン)
- 「閉じる」をクリックし、メモ一覧に表示されていることを確認
✅ 完成チェックリスト
- [ ] Googleフォームで勉強会アンケートを作った(質問4つ)
- [ ] プレビューで自分でテスト回答した
- [ ] スプレッドシートにリンクして回答データが記載されるのを確認した
- [ ] Keepでチェックリストメモを作った
- [ ] メモにラベルと背景色を設定した
💡 つまずきポイント
Q: フォームのデザインを変えたい
→ 右上の「テーマ」(パレットアイコン)で色の設定やヘッダー画像の追加ができます。社内フォームに会社ロゴを入れる、イベントフォームにイベントテーマの背景を入れるなどに使えます。
Q: 同じ人に何度も回答させたくない
→ 「設定」 → 「回答」 セクションで 「1人1回の回答に制限する」をオンにする(ただしログイン者限定になります)。応募者や顧客に送るフォームは、ログイン不要 + 1人何度でも回答可にしておき、重複チェックはスプレッドシートで人の手で行うのが実務選択となります。
Q: Keepメモを他者と共有したい
→ メモを開いて下部の「コラボレーター」アイコン(人と+)をクリックして、ユーザーを追加すると互いにKeepで表示されるようになります。共有メモは「チームでちょっと共有したいメモ」(買い出しリスト、家族のスケジュールなど)に便利。
✅ まとめ
- Googleフォームはアンケート・出欠・申し込み・クイズをささやかに作れるツール
- フォームの回答はスプレッドシートに連携させると集計が一気に楽になる(GW-7,8の関数・ピボットがそのまま使える)
- Google Keepは「ささやかなメモ」を記録する付箋サイズのツール
- Keepはラベル + 背景色で分類し、検索は本文検索 + OCRで可能
- NG: フォームで不要な個人情報を集める / ログイン者限定を見返さない / Keepに重要情報を入れすぎる
- ハンズオンで勉強会フォーム + チェックリストメモを体験 → すぐ使えるサイズを体感
📌 実務ポイント: キャリア・現場でどう活きるか
この2つは「詳細スキル」というより、「とっさに使えること」そのものが価値になります。
選考・面談で: 「チームセミナーで参加者を募りたい」と言われたとき、「スプレッドシートで」と答える人と「フォームで作ります」と答える人とでは、仕事の進め方のスケール感そのものが見られます。面接で「集計業務はどうしていますか?」と聞かれたときの「ツール選び」の話が、「仕事を効率化して考えられる人」かの評価につながります。
入社・配属後で: 多くの現場では、上司から「ちょっとこれ聞いて集めて」と依頼されるようになります。そのとき「5分でフォームを作ってURLを送りました」とできる人と、「Excelで表を作ってメールで返してもらいました」としかできない人とでは、「より多く仕事を任される人」に選ばれるのは前者です。
Keepの隠れた価値: 「1on1のトピックメモ」や「評価面談で話したいこと」をKeepでその都度記録しておくと、1on1や面談で「ちゃんと考えてきた人」として上司に評価されます。その場で思いつく人と、事前にリストアップしてきた人とでは、その話しぶりはとても違います。
さらに学ぶには
- 次のコンテンツ「Geminiと連携するGoogle Workspace – AI時代の文書作成・要約・分析」では、これまで学んだGoogleツールとAIを接続して使うスキルを学びます
- AI・デジタル活用の「ChatGPTを使った業務効率化入門」も、「KeepメモをプロンプトとしてAIに思考を進めてもらう」スキルにつながります
- GW-12でも見たように、フォームで集めたデータはスプレッドシートに記載されるため、GW-7「関数」とGW-8「ピボット・グラフ」のスキルをそのまま使えます
