📚 このコンテンツで学べること
1. 「チャンネルを荒らさない」ための7つの基本ルールを身につける
2. スレッドを使いこなせるようになる
3. メッセージの編集・削除・修正、テキスト装飾の基本を押さえる
所要時間: 25分 難易度: 初級 種別: テキスト + ハンズオン
はじめに
Slackで好評・複数人から評価されるポイントは、その多くが「メッセージの書き方」にあります。「今、一言いいですか?」、ただそれだけ書いて送信、という人や、「あれ」「とりあえず」「ちょっと」を連発する人は、チームにとって「コミュニケーションにコストが掛かる人」と見られてしまいます。
逆に、Slackで「必要な情報が一つのメッセージにまとまっている」「スレッドで話題を整理している」「チームが読みやすいように装飾している」人は、「仕事ができる人」として評価されます。そしてこれは、身につければ誰でもできるスキルです。
このコンテンツでは、Slackのメッセージ作法について「7つの基本ルール」とともに、スレッド文化とテキスト装飾の基本を学びます。
1️⃣ 7つの基本ルールの全体像
ルール1: 「とりあえず」や「ちょっといいですか」を重ねず、1メッセージで要件を完結
ルール2: 「何をしてほしいか」を明確に(質問/共有/依頼/決定)
ルール3: 長い話・詰めたい話はスレッドで
ルール4: コード・コマンドはコードブロックで囲う
ルール5: 誤って送信したら「編集/削除」、追加説明は「追記」
ルール6: リアクションを「読みました」として使う
ルール7: 人とチャンネルを明示的に示したいときはメンションやURLリンクを使う
これらを一つずつ見ていきましょう。
2️⃣ ルール1: 1メッセージで要件を完結
一番多いNGパターンが、「とりあえずノック」「ちょっといいですか」と書いて、相手の返信を待つというスタイルです。メール文化の名残だとも言えます。
× NGパターン
10:00 「佐藤さん、ちょっといいですか?」
10:35 (佐藤)「はい」
10:36 「すみません、今週の顧客ミーティングの件で」
10:36 「『A社』の件なんですが」
10:37 「計画書はもうできているでしょうか?」
10:38 「あと、議事録のフォーマットも確認させてください」
→ 佐藤さんは「今めんどう」と思いながらチャンネルを見る状況
これを1メッセージでキッチリ記述しましょう。
〇 OKパターン
10:00 「佐藤さん、今週の顧客ミーティング(A社)について2点確認です。
1. 計画書はもうできていますか?
2. 議事録はいつものフォーマットでよいですか?
よろしくお願いします」
→ 佐藤さんはレスポンスできるタイミングで一度に読めて、返信も一度にできる
「今ちょっといいですか」には、答える側の「いいですよ」を引き出す手間が不要です。それより、要件を全部並べて「応じられるときに読んで返信して」と依頼する人のほうが丁寧です。
3️⃣ ルール2: 「何をしてほしいか」を明確に
Slackのメッセージは、読み手に「このメッセージで何をしてほしいか」が5秒でわかる状態を目指します。
4つのプレフィックス
タイトルや冒頭に「性質」を表すプレフィックスをつけると、読み手は一目で「これは何をするべきメッセージか」を判断できます。
【質問】 読み手に返信をもらうべきもの
例: 【質問】『A社提案』の計画書雛形、どこにありますか?
【共有】 読んでもらうだけでOK、レスポンス不要
例: 【共有】今週から会社ビデオ使用が許可されたため、今後使います
【依頼】 読み手に作業をしてもらうべきもの
例: 【依頼】明日の会議で使うスライド、本日中にレビューお願いできませんか
【決定】 もう決まったことの報告
例: 【決定】顧客A社とのキックオフを、5/15(金) 15:00にしました。
4つのプレフィックスを揃えるだけで、チームのコミュニケーション効率が格段に上がります。もちろん「これはチームルールだ」と主張されるわけではないため、自分から始めるのがビジネススタイルの作法です。
「個別名」を必ず書き込む
Slackのメッセージは3ヶ月後に誰かが検索して読むものです。主語を省略しない、個別名・日付・金額などは明記する、という意識が重要です。
× 「あれ、どうなりましたっけ?」
〇 「『A社提案』の件、今週金曜提出という話、どうなりました?」
× 「今週の会議」
〇 「2026/05/15(金) 15:00の週次定例」
4️⃣ ルール3: 長い話・詰めたい話はスレッドで
スレッドはチャンネルを荒らさないための重要ツールです。
スレッドで返信すべきケース
[資料チェック依頼への返信]
「確認しました、問題なしです」「修正点、スレッドに記載しました」
→ 依頼した人だけが見ればよい詳細ツク
[議論の掘り下げ]
「その点で気になったんですが」「もう一つ聴いてもよいでしょうか?」
→ スレッドの中で掘り下げを進めて、最終的な結論をチャンネルに共有
[「【質問】」への回答]
質問者以外も参考になるためスレッドで返信、重要な部分は「チャンネルにも送信」としてシェア
「チャンネルにも送信」をチェックするとき
スレッドで出た重要な結論やチームに共有したい話は、スレッド送信時に「チャンネルにも送信」をチェックすると、チャンネル本体にも表示されます。
【チェックするケース】
スレッドで出た「【決定】会議を金曜に変更」
スレッドで出た「【関連】この件、A社とも関連します」
スレッドで出た議論のサマリ
【チェックしないケース】
依頼への「送りました」返信
議論の途中のやりとり
詳細なFAQやテクニカル
5️⃣ ルール4: コード・コマンドはコードブロックで囲う
Slackにはコードブロック機能があり、コードやコマンドの可読性が大幅に上がります。エンジニア・データ職・デザイナー以外も、これを使えるようになるとコミュニケーションがスムーズになります。
コードブロックの使い方
[インラインコード](1行のコード)
`コードにしたい部分`
タイプ方法: バッククオート(`)で囲む
[コードブロック](複数行のコード)
```
コードにしたい部分
複数行
```
タイプ方法: バッククオート3つ(```)で囲む
コードブロックを使うべきケース
[コードやコマンドを共有するとき]
`git checkout main`
`npm install`
[ファイル名やパスを記載するとき]
`/Users/yamada/Downloads/A社提案.pdf` をダウンロードしてお願い
[ID・トークンを記載するとき]
「user_id: `abc123def456`」というコンテクストでコピペしやすい
コードブロックだとコピペが使いやすい、句読点を含めたコードをそのまま記載できる、という利点があります。
6️⃣ ルール5: 誤送信は「編集/削除」、追加説明は「追記」
Slackはメールと違い、送信後もメッセージを編集・削除できるのが特徴です。これを上手に使うと、チームの誤った情報をすぐに訂正できます。
編集・削除の使い方
[編集]
メッセージにホバー → 「メッセージを編集」(鉛筆アイコン) → 修正して保存
ショートカット: 上矢印キー(直近の自分のメッセージを編集)
メッセージに「(編集済み)」と表示される
[削除]
メッセージにホバー → 「メッセージを削除」(ゴミ箱アイコン) → 確認して削除
使い分けの判断軸
[編集する]
誤字脱字、タイポミス
金額・日付・名前の間違い
リンクを追加したかった
[削除する]
送り先を間違えた(顧客チャンネルに社内話を送ったなど)
機密情報を間違えて記載した
重複送信してしまったメッセージ
[追記するべきケース]
もとのメッセージやスレッドで「すみません、追記です」と送って修正
(例:「【追記】件名の『A社』は『B社』の間違いでした、失礼しました」)
⚠️ 注意: 他者がすでに読んでしまったメッセージは、編集しても「見たという事実」は消えません。重要な誤りの場合は、必ず「追記/訂正」メッセージを送るのがチームと信頼を保つ作法です。
7️⃣ ルール6: リアクションを「読みました」として使う
Slackの絵文字リアクションは、単なる「いいね」ではなく、チームのコミュニケーションコストを下げる重要ツールです。
「読みました」リアクション
[依頼や連絡を受けたとき]
✅ (チェック) → 「読みました、了解しました」
👀 (目) → 「読みました、見ています」
🙏 (拝む) → 「ありがとうございます」
🎉 (クラッカー) → 「おめでとうございます」
これだけで、「了解しました」「ありがとうございます」という返信を送る手間が省けるわけです。チーム全体で何百件も起きるやりとりに、これだけでコミュニケーションコストが大きく下がります。
リアクションをつける方法
- メッセージの上にホバーして「リアクション」アイコン(絵文字+ボタン)をクリック
- よく使うリアクションはリスト表示されるので、そこから選択
- 他の人がすでにつけているリアクションはクリックで人数が増える
8️⃣ ルール7: 人とチャンネルは明示的に
Slackでは、人とチャンネルを@メンションと#リンクで明示的に示します。これも「読み手にとって使いやすいSlack」の大きな要素です。
メンションとリンクの書き方
[人を明示する]
@始めるタイプ → 名前を選択
例: 「@佐藤 この件、ひと言もらえる?」
[チャンネルを明示する]
#始めるタイプ → チャンネルを選択
例: 「この件の詳細は #proj-A社 で話しましょう」
メンションやリンクは、ただ名前を書くよりもクリックでその人のプロフィール・チャンネルに跳べるため、読み手の動きがスムーズになります。
⚠️ @メンションの注意: メンションされた人には通知が送られます。ちゃんと読んでほしい依頼や質問は@メンション付き、「この人に読ませる必要はないけど言及したい」ときは名前をそのまま書くと使い分ける作法があります。
その他の読みやすさ装飾
SlackにはMarkdown風の装飾が使えます。
*太字* **重要な部分に**
_斜体_ _強調_
~取り消し線~ ~変更前の値を表示するとき~
> 引用 > 他者の発言やドキュメントの一部を引用
- 箇条書き 箇条書きリスト
1. 番号リスト 番号付きリスト
これらを適切に使うと、長めのメッセージが格段に読みやすくなります。ただし使いすぎは逆効果、重要なキーワードだけ太字にしましょう。
9️⃣ やってはいけないこと・注意点
NG1: 「とりあえず」のうちにチャンネルを荒らす
連続の短いメッセージはチームにとってノイズです。チャンネル一覧でバッジが何回も点灯し、他メンバーの集中を妨げます。送信前に「これ、一メッセージにまとめられないか?」と一息チェックしましょう。
NG2: チャンネルで長い議論をしてしまう
スレッドを使わず、チャンネル上で1つの話題で10〜20件の返信が連なると、後から参加した人は「どこから読めばよいか」迷います。必ずスレッドを使って話題を整理し、議論の最終的な結論だけチャンネルに流しましょう。
NG3: 「よろしくお願いします」だけ送る
Slackでは「依頼」のメッセージだけ送って、詳細を書き忘れる人がいます。「以下お願いします」とだけ送ると、受け取った人は「何を?」ともう一度聞く手間が生じます。1メッセージで、依頼内容・背景・期限をすべて書き込んで送るのが原則です。
NG4: スレッドに重要な決定を埋める
スレッドで決めたことを「チャンネルにも送信」せず、そのままにしてしまうと、他のチームメンバーがその結論にアクセスできなくなります。スレッド中で出た重要な決定事項は、必ず「チャンネルにも送信」をチェックしましょう。
NG5: コードブロックを使わずにコードを記載する
Slackが勝手にダブルクオートをスマートクオートに変換したり、スペースをタブに換えたりして、コードが実行できなくなることがあります。コード・コマンド・ファイルパスを記載するときは必ずコードブロックを使いましょう。
NG6: チャンネル名をコピペせず「例のチャンネル」とだけ書く
「例のチャンネルで話していた件」とだけ書かれても、読み手はもう一度探さないと見つかりません。#proj-A社というチャンネルリンクを書くだけで、読み手はクリック一つでそのチャンネルに跳べます。
NG7: 誤りを、他者が読んだあとも黙って修正する
メッセージを編集すると「(編集済み)」タグだけ付くため、他者がすでに読んでしまっている場合は何が変わったかもわからない状態になります。重要な件は訂正メッセージを送るのがチームと信頼を保つ作法です。
🛠 ハンズオン課題: 7ルールを守ったメッセージを書く
所要時間: 約8分
📋 ゴール
- テストチャンネルで、7つのルールを守った依頼メッセージを書く
- スレッド、リアクション、編集、コードブロックの使い方を体験する
Step 1: 【依頼】メッセージを書く(3分)
テストチャンネルを開き、以下の「ダメなメッセージ」をセルフ修正して送る:
[ダメなメッセージ(これを書かず、修正後を送る)]
「ちょっといいですか?」
「提案資料の件」
「もうできてる?」
「期限もたしか明日?」
「よろしくお願いします」
[修正後のサンプル(こちらを送る)]
【質問】A社提案資料の件、明日(5/16)提出期限と記憶していますが、進捗を教えてもらえますか?
現状で、他に手伝えることがあると助かります。
よろしくお願いします。
ポイント:
- 【質問】プレフィックスをつけた
- 個別名(A社)と期限(5/16)を明示
- 1メッセージで要件を完結
Step 2: コードブロックを含むメッセージを送る(2分)
同じチャンネルで、以下のメッセージを送る。コードブロックのタイプ方法を体験します。
その際のタイプ方法:
- 「【共有】今週試した便利なコマンドをシェア:」と書き、改行
- バッククオートを3つ(“`)タイプ、Enter
- コマンド(例:
ls -la)を記載して、Enter - もう一度バッククオート3つ
Step 3: リアクションをつける(1分)
- Step 1で送ったメッセージ(もしくはStep 2で送ったメッセージ)にホバー
- 右上に出てくるリアクションアイコン(絵文字+ボタン)をクリック
:white_check_mark:もしくは 👀 を選択- メッセージの下にリアクションが表示されるのを確認
Step 4: メッセージを編集してみる(1分)
- Step 1で送った依頼メッセージにホバー → 「メッセージを編集」(鉛筆アイコン)をクリック
- 末尾に「(追記:期限を取り違えていた場合は手伝います、ご遠慮なく)」と追加
- 「保存」をクリック
- メッセージに「(編集済み)」と表示されているのを確認
Step 5: スレッドで返信してみる(1分)
- Step 1のメッセージにホバー → 「スレッドで返信」(チャットバブルアイコン)
- スレッドパネルで「これはスレッド返信のテストです」と送信
- チャンネル本体では表示されず、スレッドパネルにだけ表示されることを確認
✅ 完成チェックリスト
- [ ] 7つのルールを意識した依頼メッセージを書いた(プレフィックス・個別名・期限を明示)
- [ ] コードブロック(“`)を使ってコマンドを記載した
- [ ] メッセージにリアクションをつけた
- [ ] メッセージを編集して(編集済み)表示を見た
- [ ] スレッドで返信して、チャンネル本体に出ないことを確認した
✅ まとめ
Slackメッセージ作法の7つのルール:
- 1メッセージで要件を完結 – とりあえずノックしない
- 「何をしてほしいか」を明確に – 【質問】【共有】【依頼】【決定】プレフィックス
- 長い話・詰めたい話はスレッドで – チャンネル本体を荒らさない
- コード・コマンドはコードブロックで囲う –
インラインと```ブロック``` - 誤りは「編集/削除/追記」で対処 – 見られたあとは追記メッセージ
- リアクションを「読みました」として使う – 返信代わりでチームのコストを下げる
- 人とチャンネルは明示的に – @メンションと#リンク
📌 実務ポイント: キャリア・現場でどう活きるか
「メッセージを丁寧に書く人」と「連発で送る人」の間に、仕事人としての信頼の差ができてしまうことを、多くのチームメンバーは感じています。
選考・面談で: 面接官は、「この人とチャットしたら仕事しやすいか」という視点で「コミュニケーションスタイル」を見ています。「チャットでは何を意識してメッセージを書いていますか」という質問に、「一メッセージで要件が伝わるように、プレフィックスと個別名を明示してメッセージを書くように心がけています」と丁寧に答えられる人は、上位の評価をすぐ受けるでしょう。
入職・配属初期で: 入社初日からテキスト装飾・コードブロック・スレッドをうまく使える人は、チームメンバーに「この人、Slackをちゃんと使える人だ」という第一印象を与えます。この第一印象は意外に重要で、「この人に仕事を任せてもスムーズに進むだろう」という期待につながります。
リーダーとして: リーダー職に就くと、話し手としてだけではなく、「チームのコミュニケーション文化をつくる人」になります。リーダーがチャンネルで【質問】【依頼】を使っていると、チームメンバーも自然とそれに倣います。逆に、リーダーが乱雑なメッセージを送ると、チーム全体もそうなり、コミュニケーションコストが上がってしまいます。
